インスタンスメトリクス#

LXD は全ての実行中のインスタンスについてのメトリクスを提供します。これは CPU、メモリー、ネットワーク、ディスク、プロセスの使用量を含み、Prometheus で読み取って Grafana でグラフを表示するのに使うことを想定しています。 クラスタ環境では、 LXD はアクセスされているサーバ上で稼働中のインスタンスの値だけを返します。各クラスタメンバーから別々にデータを取得する想定です。 インスタンスメトリクスは /1.0/metrics エンドポイントを呼ぶと更新されます。 メトリクスは複数のスクレイパーに対応するため 8 秒キャッシュします。メトリクスの取得は比較的重い処理ですので、影響が大きすぎるようならデフォルトの間隔より長い間隔でスクレイピングすることを検討してください。

メトリクス用証明書の作成#

1.0/metrics エンドポイントは他の証明書に加えて metrics タイプの証明書を受け付けるという点で特別なエンドポイントです。 このタイプの証明書はメトリクス専用で、インスタンスや他の LXD のオブジェクトの操作には使用できません。

新しい証明書は以下のように作成します(この手順はメトリクス用の証明書に限ったものではありません)。

openssl req -x509 -newkey ec -pkeyopt ec_paramgen_curve:secp384r1 -sha384 -keyout metrics.key -nodes -out metrics.crt -days 3650 -subj "/CN=metrics.local"

作成後、証明書を信頼済みクライアントのリストに追加する必要があります。

lxc config trust add metrics.crt --type=metrics

Prometheus にターゲットを追加#

Prometheus が LXD からメトリクスを取得するためには、 LXD をターゲットに追加する必要があります。

まず、 LXD にネットワーク越しにアクセスできるように core.https_address を設定しているかを確認してください。 これは以下のコマンドを実行することで設定できます。

lxc config set core.https_address ":8443"

あるいは、メトリクス用途専用の core.metrics_address を使うことも出来ます。

次に、新しく作成した証明書と鍵を LXD のサーバ証明書とともに Prometheus からアクセスできるようにする必要があります。 これは以下の 3 つのファイルを /etc/prometheus/tls にコピーすればできます。

# tls ディレクトリーを新規に作成
mkdir /etc/prometheus/tls

# 新規に作成された証明書と鍵を tls ディレクトリーにコピー
cp metrics.crt metrics.key /etc/prometheus/tls

# LXD サーバ証明書を tls ディレクトリーにコピー
cp /var/snap/lxd/common/lxd/server.crt /etc/prometheus/tls

# これらのファイルを Prometheus が読めるようにする(通常 Prometheus は "prometheus" ユーザーで稼働しています)
chown -R prometheus:prometheus /etc/prometheus/tls

最後に、 LXD をターゲットに追加する必要があります。 これは /etc/prometheus/prometheus.yaml を編集する必要があります。 設定を以下のようにします。

scrape_configs:
  - job_name: lxd
    metrics_path: '/1.0/metrics'
    scheme: 'https'
    static_configs:
      - targets: ['127.0.0.1:8443']
    tls_config:
      ca_file: 'tls/lxd.crt'
      cert_file: 'tls/metrics.crt'
      key_file: 'tls/metrics.key'