プロジェクト設定#

プロジェクトに何を含めるかは features 設定キーによって決められます。 機能が無効の場合はプロジェクトは default プロジェクトから継承します。

デフォルトでは全ての新規プロジェクトは全体のフィーチャーセットを取得し、 アップグレード時には既存のプロジェクトは新規のフィーチャーが有効には なりません。

key/value 設定は現在サポートされている以下のネームスペースによって 名前空間が分けられています。

  • features プロジェクトのフィーチャーセットのどの部分が使用中か

  • limits プロジェクトに属するコンテナと VM に適用されるリソース制限

  • user ユーザーメタデータに対する自由形式の key/value

キー

条件

デフォルト値

説明

backups.compression_algorithm

string

-

-

プロジェクト内のバックアップに使う圧縮アルゴリズム(bzip2, gzip, lzma, xz あるいは none)

features.images

boolean

-

true

プロジェクト用のイメージとイメージエイリアスのセットを分離する

features.networks

boolean

-

false

プロジェクトごとに個別のネットワークのセットを使うかどうか

features.profiles

boolean

-

true

プロジェクト用のプロファイルを分離する

features.storage.volumes

boolean

-

true

プロジェクトごとに個別のストレージボリュームのセットを使うかどうか

images.auto_update_cached

boolean

-

-

LXD がキャッシュするイメージを自動更新するかどうか

images.auto_update_interval

integer

-

-

キャッシュしたイメージの更新を確認する間隔(単位は時間、0 を指定すると無効)

images.compression_algorithm

string

-

-

プロジェクト内のイメージに使う圧縮アルゴリズム(bzip2, gzip, lzma, xz あるいは none)

images.default_architecture

string

-

-

アーキテクチャーが混在するクラスタ内で使用するデフォルトのアーキテクチャー

images.remote_cache_expiry

integer

-

-

プロジェクト内の使用されないリモートイメージのキャッシュが削除されるまでの日数

limits.containers

integer

-

-

プロジェクト内に作成可能なコンテナの最大数

limits.cpu

integer

-

-

プロジェクトのインスタンスに設定する個々の "limits.cpu" 設定の合計の最大値

limits.disk

string

-

-

プロジェクトの全てのインスタンスボリューム、カスタムボリューム、イメージで使用するディスクスペースの合計の最大値

limits.instances

integer

-

-

プロジェクト内に作成できるインスタンスの合計数の最大値

limits.memory

string

-

-

プロジェクトのインスタンスに設定する個々の "limits.memory" 設定の合計の最大値

limits.networks

integer

-

-

このプロジェクトが持てるネットワークの最大数

limits.processes

integer

-

-

プロジェクトのインスタンスに設定する個々の "limits.processes" 設定の合計の最大値

limits.virtual-machines

integer

-

-

プロジェクト内に作成可能な VM の最大数

restricted

boolean

-

false

セキュリティセンシティブな機能へのアクセスをブロックするかどうか(restricted.* キーを有効にするためにはこれは有効にする必要があります。これは必要に応じて関連するキーをクリアーすることなく一時的に無効にできます)

restricted.backups

string

-

block

インスタンスやボリュームのバックアップの作成を禁止するかどうか

restricted.cluster.groups

string

-

-

指定したグループ以外のクラスタグループにターゲットするのを防ぐ

restricted.cluster.target

string

-

block

インスタンスを作成・移動する際にクラスタメンバーを直接指定するのを防ぐかどうか

restricted.containers.lowlevel

string

-

block

block と設定すると raw.lxc, raw.idmap, volatile などの低レベルのコンテナオプションを防ぐ。

restricted.containers.nesting

string

-

block

block と設定すると security.nesting=true と設定するのを防ぐ

restricted.containers.privilege

string

-

unpriviliged

unpriviliged と設定すると security.privileged=true と設定するのを防ぐ。 isolated と設定すると security.privileged=true に加えて security.idmap.isolated=true と設定するのを防ぐ。 allow と設定すると制限なし。

restricted.containers.interception

string

-

block

システムコールのインターセプションオプションの使用を防ぐ。 allow に設定すると通常の安全なインターセプションオプションは許可されます (ファイルシステムのマウントは引き続きブロックされる)。

restricted.devices.disk

string

-

managed

block と設定すると root 以外のディスクデバイスを使用できなくする。 managed に設定すると pool= が設定されているときだけディスクデバイスの使用を許可する。 allow と設定すると制限なし。

restricted.devices.disk.paths

string

-

-

restricted.devices.diskallow に設定された場合これは disk デバイスに設定される source 設定を制限するパスのプリフィクスのカンマ区切りを設定する。空の場合は全てのパスが許可される。

restricted.devices.gpu

string

-

block

block と設定すると gpu タイプのデバイスの使用を防ぐ

restricted.devices.infiniband

string

-

block

block と設定すると infiniband タイプのデバイスの使用を防ぐ

restricted.devices.nic

string

-

managed

block と設定すると全てのネットワークデバイスの使用を防ぐ。 managed と設定すると network= が設定されているときだけネットワークデバイスの使用を許可する。 allow と設定すると制限なし。

restricted.devices.pci

string

-

block

"pci" タイプのデバイスの使用を防ぐ

restricted.devices.proxy

string

-

block

"proxy" タイプのデバイスの使用を防ぐ

restricted.devices.unix-block

string

-

block

block と設定すると unix-block タイプのデバイスの使用を防ぐ

restricted.devices.unix-char

string

-

block

block と設定すると unix-char タイプのデバイスの使用を防ぐ

restricted.devices.unix-hotplug

string

-

block

block と設定すると unix-hotplug タイプのデバイスの使用を防ぐ

restricted.devices.usb

string

-

block

block と設定すると usb タイプのデバイスの使用を防ぐ

restricted.idmap.uid

string

-

-

インスタンスの raw.idmap 設定で使用可能なホストの UID の範囲を指定

restricted.idmap.gid

string

-

-

インスタンスの raw.idmap 設定で使用可能なホストの GID の範囲を指定

restricted.networks.subnets

string

-

block

このプロジェクトで使用するために割り当てられるアップリンクネットワークのネットワークサブネット(<uplink>:<subnet> 形式)のカンマ区切りリスト

restricted.networks.uplinks

string

-

block

このプロジェクト内のネットワークでアップリンクとして使用可能なネットワークのカンマ区切りリスト

restricted.networks.zones

string

-

block

このプロジェクト内の使用可能なネットワークゾーン(またはそれらの下のサブゾーン) のカンマ区切りリスト

restricted.snapshots

string

-

block

インスタンスやボリュームのスナップショット作成を禁止するかどうか

restricted.virtual-machines.lowlevel

string

-

block

block と設定すると raw.qemu, volatile などの低レベルの仮想マシンオプションを防ぐ。

これらのキーは lxc ツールを使って以下のように設定できます。

lxc project set <project> <key> <value>

プロジェクトの制限#

注意: limits.* 設定キーの 1 つを設定する際はプロジェクト内の 全ての インスタンスに直接あるいはプロファイル経由で同じ設定キーを設定 する必要があります

それに加えて

  • limits.cpu 設定キーを使うにはさらに CPU ピンニングが使用されて いない 必要があります。

  • limits.memory 設定キーはパーセント ではなく 絶対値で設定する必要があります。

プロジェクトに設定された limits.* 設定キーは直接あるいはプロファイル経由でプロジェクト内のインスタンスに設定した個々の limits.* 設定キーの値の 合計値 に対しての hard な上限として振る舞います。

例えば、プロジェクトの limits.memory 設定キーを 50GB に設定すると、プロジェクト内のインスタンスに設定された全ての limits.memory 設定キーの個々の値の合計が 50GB 以下に維持されることを意味します。 インスタンスの作成あるいは変更時に limits.memory の値を全体の合計が 50GB を超えるように設定しようとするとエラーになります。

同様にプロジェクトの limits.cpu 設定キーを 100 に設定すると、個々の limits.cpu の値の 合計100 以下に維持されることを意味します。

プロジェクトのセキュリティ規制#

restricted 設定キーが true に設定されると、プロジェクトのインスタンスはコンテナネスティングや生の LXC 設定といったセキュリティセンシティブな機能にアクセスできなくなります。

restricted 設定キーがブロックする機能の正確な組み合わせは LXD の今後のリリースに伴って、より多くの機能がセキュリティセンシテイブであると判断されて増えていく可能性があります。

さまざまな restricted.* サブキーを使うことで通常なら restricted でブロックされるはずの個々の機能を選んで許可し、プロジェクトのインスタンスで使えるようにできます。

例えば

lxc project set <project> restricted=true
lxc project set <project> restricted.containers.nesting=allow

はコンテナネスティング 以外の 全てのセキュリティセンシティブな機能をブロックします。

それぞれのセキュリティセンシティブな機能は対応する restricted.* プロジェクト設定サブキーを持ち、その機能を許可しプロジェクトで使えるようにするにはデフォルト値から変更する必要があります。

個々の restricted.* 設定キーの値の変更が有効になるのはトップレベルの restricted キーが true に設定されているときのみであることに注意してください。 restrictedfalse に設定されている場合、 restricted.* サブキーを変更しても実質的には変更していないのと同じです。

ほとんどの restricted.* 設定キーは block (デフォルト値)か allow のいずれかの値を設定可能なバイナリースイッチです。 しかし一部の restricted.* 設定キーはより細かい制御のために他の値をサポートします。

全ての restricted.* キーを allow に設定すると restricted 自体を false に設定するのと実質同じことになります。