Ceph Object - cephobject#

Ceph はオープンソースのストレージプラットフォームで、データを RADOS に基づいたストレージクラスタ内に保管します。 非常にスケーラブルで、単一障害点がない分散システムであり非常に信頼性が高いです。

Tip

ベーシックなCephクラスタを素早く構築したい場合、MicroCephをチェックしてみてください。

Ceph はブロックストレージ用とファイルシステム用に異なるコンポーネントを提供します。

Ceph Object Gatewaylibrados 上に構築されたオブジェクトストレージインタフェースであり Ceph Storage Clusters への RESTful ゲートウェイを持つアプリケーションを提供します。 Amazon S3 RESTful API の大きなサブセットと互換性を持つオブジェクトストレージの機能を提供します。

用語#

Ceph は保管するデータに オブジェクト という用語を使用します。 データを保存と管理する責任を持つデーモンは Ceph OSD です。 Ceph のストレージは プール に分割されます。これはオブジェクトを保管する論理的なパーティションです。 これらは データプール, ストレージプール, OSD プール とも呼ばれます。

Ceph Object Gateway は複数の OSD プールとゲートウェイの機能を提供する 1 つ以上の Ceph Object Gateway daemon (radosgw) プロセスから構成されます。

LXD の cephobject ドライバ#

注釈

cephobject ドライバはバケットのみに使用できます。

ストレージボリュームには Ceph または CephFS ドライバを使用してください。

他のストレージドライバとは異なり、このドライバはストレージシステムをセットアップはせず、既に Ceph クラスタをインストール済みであると想定します。

事前に radosgw 環境をセットアップし、 HTTP/HTTPS エンドポイント URL が LXD サーバーからアクセス可能なことを確認してください。 Ceph クラスタをどのようにセットアップするかの情報については Manual Deployment を、そして radosgw 環境をどのようにセットアップするかについては Ceph Object Gateway を参照してください。

radosgw URL はプールの作成時に cephobject.radosgw.endpoint オプションを使って指定できます。 また LXD はバケットの管理に radosgw-admin コマンドを使用しています。ですのでこのコマンドが LXD サーバー上で利用可能で操作可能である必要があります。

このドライバはリモートのストレージを提供するという意味でも他のドライバとは異なる振る舞いをします。 結果として、内部ネットワークに依存し、ストレージへのアクセスはローカルのストレージより少し遅くなるかもしれません。 一方で、リモートのストレージを使うことはクラスタ構成では大きな利点があります。これはストレージプールを同期する必要なしに、全てのクラスタメンバーが同じ内容を持つ同じストレージプールにアクセスできるからです。

LXD は OSD ストレージプールに対して完全制御できることを想定します。 このため、 LXD OSD ストレージプール内に LXD が所有しないファイルシステムエンティティは LXD が消してしまうかもしれないので決して置くべきではありません。

設定オプション#

cephobject ドライバを使うストレージプールとこれらのプール内のストレージボリュームには以下の設定オプションが利用できます。

ストレージプール設定#

キー

デフォルト値

説明

cephobject.bucket.name_prefix

string

-

Ceph 内のバケット名に追加する接頭辞

cephobject.cluster_name

string

ceph

使用する Ceph クラスタ

cephobject.radosgw.endpoint

string

-

radosgw ゲートウェイプロセスのURL

cephobject.radosgw.endpoint_cert_file

string

-

エンドポイント通信に使用する TLS クライアント証明書を含むファイルへのパス

cephobject.user.name

string

admin

使用する Ceph ユーザ

volatile.pool.pristine

string

true

作成時に radosgw lxd-admin ユーザが存在したかどうか

ストレージバケット設定#

キー

デフォルト値

説明

size

string

-

ストレージバケットのクォータ